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技術情報 製品を購入されますとさらに詳しいレシピが付いております。
1.イムノクロマトキットの構造@サンプルパッド(Sample pad)
- ・検体を受ける。
- ・検体をストリップ中に均一に分配する。
- ・サンプル組成を変えるための試薬を含む。
- ・フィルターとしての役目を果たすこともある。
- A コンジュゲートパッド(Conjugate pad)
- ・検出試薬(金コロイド標識抗体)を乾燥状態に保つ。
- ・検出試薬を素早く、均一に、そして定量的にリリースする。
- ・メンブレンへ検出試薬を均一に移動させる。
- B メンブレン(Membrane)
- ・表面に捕捉試薬(抗体など)を保持している。
- ・表面でイムノコンプレックスが形成される。
- ・システム全体のフローレートをコントロールする。
- C 吸収パッド(Absorbent pad)
- ・検体の吸収材として働く。
- ・処理されるトータルのサンプル量を決定する。
2.抗体固体メンブレンの作成
【材料】
- ・メンブレン
- ・ミリポアなどのメーカーよりイムノクロマト用メンブレンを購入可能。
- ・Flow-rateの異なるタイプが数種類ある。
- ・Flow-rateは検出感度や測定時間、非特異反応性に影響する。
- ・テストライン用抗体
- ・検出する抗原に対する抗体。使用濃度は0.01〜2mg/mLあたり。(0.01〜2μg/test)
- ・使用抗体濃度が低い場合は、抗原抗体反応に関係ないタンパク(BSAなど)を加えてタンパク濃度を0.5〜1mg/mL程度にする。
- ・目的とする感度・特異性が得られる濃度に、塩濃度の薄いbuffer (10mM PB(pH7)など)で希釈する。
- ・塩濃度が高いと、乾燥時にbufferが濃縮され、抗体に影響を与えることがある。
- ・コントロールライン用抗体
- 金コロイドに結合させる抗体に対する第二抗体。
- 例).抗ウサギIgG抗体,抗マウスIgG抗体 など
- ・ブロッキング液
- ゼラチン、カゼイン、BSA、IgG、PVP、PVAなどのタンパクやポリマーをbufferに溶解した液。
- 例).1%BSA含有PBS溶液
【方法】
- 抗体溶液をメンブレンにライン状に塗布。
(ラインの塗布位置は感度に関係する) - 室温あるいは37℃で30〜60分乾燥。
- メンブレンをブロッキング液.に浸し、10〜30分間穏やかに振盪しブロッキングする。
- メンブレンを弱いbuffer溶液や精製水に浸し、振盪し洗浄する(2〜3回)。
- メンブレン表面の余分な水分を吸い取り、室温あるいは減圧下で乾燥。
【検討項目】
- 使用するメンブレン
- 塗布抗体量
- ブロッキング溶液
- 抗体希釈液
- 抗体塗布位置 ・・・etc
3.金コロイド標本抗体の作製
【材料】
- ・金コロイド
- 一般的に40nmあたりの大きさが使用されている。ワインレッドケミカルより購入可能。
- 抗体を結合させるpHのbufferなどで希釈しpHを調節する。
- ・抗体
- 検出する抗原に対する抗体。
- 金コロイド(OD525nm=1)に添加後の抗体濃度は、50〜500ng/mLあたり。
- ・ブロッキング液
- ゼラチン、カゼイン、BSA、IgG、PVP、PVAなどのタンパクやポリマーをbufferに溶解した液。
- ・グラスファイバー
- ミリポアなどのメーカーよりコンジュゲートパッド用を購入可能。
- ・ブロッキング液
- ゼラチン、カゼイン、BSA、IgG、PVP、PVAなどのタンパクやポリマーをbufferに溶解した液。
- ・金コロイド懸濁液
- 塩濃度の低いbufferにBSAやPEGなどの金コロイドの安定化剤やスクロール、トレハロースなどの糖類を加えた液。
- 糖類は、グラスファイバーにしみこませ、乾燥させた抗体の安定性を向上させる。
- ・シリコナイズチューブ
- 金コロイドの付着を抑えるために用いる。
- 金コロイド標識抗体の作製はシリコナイズチューブ内で行なう。
【検討項目】
- 使用する金コロイド量
- 添加抗体量
- 抗体結合時のpH
- ブロッキング液組成
- 金コロイド懸濁液組成 ・・・etc
- ※ 今回は、sandwich系での検出系について記載いたしました。ハプテンでは、競合反応での
- 検出系となるのでメンブレンあるいは金コロイドに抗原を結合させて系を確立してください。
4.金コロイド標本抗体の作成例
-
5mM Tris pH9.2など 抗体により最適pHは異なる。5または10mM Tris pHいろいろ
金コロイド液:OD525=12のWRGH1, WRGH2, WRGH3その他。
抗体:5mM Tris, pH9.2などで希釈した抗体(0.1〜0.2mg/mlあるいは30〜60μg/ml)
1%BSA溶液:5mM Tris pH9.2
混合液:1%BSA溶液と1%PEG溶液を9:1の割合で混合した溶液
金コロイドコンジュゲート保存液 5mM Tris, pH9.2など
金コロイド液のpH調整は特に必要ない。抗体が高濃度の緩衝液に溶解しているときは金コロイドが凝集し、青紫色になるので透析をする必要がある。
―――
金コロイド液:抗体溶液を1:1の割合で混合、15分間静置
例 1ml:1ml(100μl:100μl)
混合液1ml(100μl)を加える。
5000rpm 5分、上清を取り除く
混合液2ml(200μl)を加え、超音波(約30秒)で分散する。
2ml(200μl)の混合液を加える。
再度遠心操作を行い,上清を除く
金コロイド用保存液(5mM Tris pH9.2など)1ml(100μl)を加え、Voltexや超音波(10秒)で分散する。
使用する抗体により抗体濃度や緩衝液や保存液のpHは異なる。 -
参考文献
1. 渡部正利、古川成明、赤松優、織田哲弥、金ナノ粒子を用いた簡易診断技術開発、バイオインダストリー、No.10 Vol.22 p60-65 (2005)
2. 渡部正利、貴金属コロイド、貴金属微粒子、組成物および貴金属微粒子の製造方 法
特許第4368855号
特許国際公開番号:WO 2005/023468 A1
3. Beesley3 ''Co1loidal Gold. A new perspective for cytochemical marking''.Roya1Microscopical Society handbook No.l7.Oxford Science Publication. Oxford University Press. (l989)
4. イムノゴールド法 コロイド金による免疫組織化学 横田貞記 藤森修 ソフトサイエンス社、1992年製造・販売元 株式会社ワインレドケミカル 〒193-0802 東京都八王子市犬目246‐4
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